2010/04/08

江の島展望灯台始末記



■ はじめに


 相模湾に面し、湘南海岸の江ノ島のシンボルとして長年親しまれた「江ノ島展望灯台(江ノ島灯台)」は、老朽化にともない新しく建て替えられることになり、今年(2002年)5月より工事が始まりました。

 「江の島展望塔」は、湘南海岸のシンボル江ノ島の標高約60mの頂上台地の江ノ島植物園内に位置し、 昭和26年(1951)に、かっての二子玉川の読売パラシュート塔(旧陸軍落下傘降下訓練塔)が移されたもので、灯台としての機能を持ち、民間灯台としては国内最大規模の光度を誇り、相模湾内の船舶交通や気象観測にと、重要な役割をはたしてきました。

 また、エレベーターで上る高さ53.7m(海抜113.7m)の展望室からは富士山、大島、伊豆半島、三浦半島など相模湾の360度の大パノラマが広がり、江ノ島観光の拠点として多くの観光客が訪れ、親しまれてきました。
 「新・江ノ島展望塔」の完成予定は、来年(2003年)の春、現在工事が進み、次第にその姿をあらわしてきた。

 このページは、2002年 9月 3日(この時点で工事はかなり進んでいましたが)から完成までの様子を随時、デジタルカメラ(フジFine Pix 1400Zoom)で記録したものです。


■ 2003/04/29


 2003年 4月29日、「旧江ノ島・植物園」は、「江ノ島・サムエル・コッキング苑」と改名しリニューアル・オープンした。 名称は、藤沢市が一般からの公募により決定したようだ。

  明治・中頃(1882年)イギリスの貿易商サムエル・コッキング氏が、江の島神社の供御菜園であったこの地に、はじめて洋風庭園・「コッキング植物園」を造ったことにちなんだもので、戦後、藤沢市が整備をし、「江の島・植物園」を開設した。
  「江の島・植物園」は、約50年間、市民や江の島を訪れる観光客に親しまれてきたが、同園内にある「江の島展望灯台」の、老朽化に伴う建て替え計画を機会に、植物園を公園としてリニューアルしたものである。

  苑内には、サムエル・コッキング氏が建造した当時のレンガ造りの温室遺構や、藤沢市と姉妹・友好都市である長野県松本市の名産品売店「松本館」や、同じく国際友好都市である中国の昆明市から寄贈された中国伝統建築様式の四阿(あずまや)、「騁碧亭(ていへきてい)」などがあります。

  ちなみに、展望灯台へは「江ノ島・サムエル・コッキング苑」入口で、入園料(一般200円、小学生100円)を払い、さらに展望灯台で昇塔料(一般300円、小学生150円)を払らう事になります。 相模湾を一望する360度の大パノラマを楽しむことが出来ます。

< コッキング苑入口 >
< 旧庭園温室跡 >
< 騁碧亭(ていへきてい) >

















< 新展望灯台 >

< 片瀬海岸方面 >















■ 2003/04/16



 4月16日、新展望塔の工事もほぼ完了し、工事用の足場やクレーンも撤去された。その他の施
設も、4月29日(みどりの日)のリニューアル・オープンにむけ急ピッチで工事が進められている。

 「旧江ノ島・植物園」は「江ノ島・サムエル・コッキング苑」として再開する。



■ 2003/02/21


 2月21日、旧展望塔の解体は完了したのか、約50年間もの間鉄塔を支えていた最下部の支柱も撤去され、何も見えなくなっていた。
  旧展望塔の撤去作業も終わり、現在は新展望塔と旧江ノ島植物園(新園仮称:サムエル・コッキング苑)の2003年の春(4月29日頃の予定)の再開園にむけ、リニューアル工事が進んでいる。
  江ノ島のシンボルとして多くの人々に愛された旧展望塔よ、永い間ご苦労様でした。
  江ノ島の思い出の風景の中にはいつも旧展望塔があった。 たくさんの思い出を与えてくれてありがとう。 これからは、湘南江ノ島を愛する人々の心の中に永く記憶されることでしょう。

< 新展望塔 >


<2003/02/21 16:26>
< 旧展望塔 >


■ 2003/02/18


 2月3日から始まった旧展望塔の解体工事もすでに2週間が経過し、ほとんど解体され基礎の支柱を残すのみ。 江ノ島入り口正面の「弁天橋」から旧展望塔は、木立に隠れ完全に消えてしまった。





■ 「旧展望灯台」の撤去作業


<2003/02/06 07:35>
<2003/01/28 16:15>
<2003/02/05 07:36>



<2003/02/07 07:38>
<2003/02/10 16:36>
<2003/02/07 16:27>



<2003/02/13 16:30>
<2003/02/11 16:30>
<2003/02/12 16:32>



<2003/02/14 16:33>
<2003/02/18 16:28>
<2003/02/18 07:38>


■ 2003/02/05


工事中の「新・旧展望灯台」
2月3日いよいよ旧展望塔の解体が始まった。
展望塔は、ブロックごとに切り離されると、大型クレーンにより吊り上げられ、下ろされていく。
 古い時代の湘南の風景が、また一つ記憶の彼方へと消え去ろうとしている。
 時代が急速に変化していく現在においては、新展望塔が江ノ島のさらに湘南の風景の一部としてとけ込んでいくのも、そんなに時間を要しないのかもしれない。
 いずれにしても新展望塔が、江ノ島の新しいシンボルとして永く人々に愛されることを願うのみである。


■ 2003/01/20


年末恒例の展望塔のライトアップは、旧展望塔最期のライトアップということで、新旧二つの展望塔が湘南の夜空を彩った。
 さらに大晦日(12月31日)の夜には、新年午前0時の合図とともに新旧の灯台(展望塔)の引継ぎ点灯式も無事終わり、新灯台が相模湾の夜空に灯を燈しています。

 新展望塔は今年の春の完成をまじかにして、外見の工事もほぼ完了し、現在は内装、設備関連の工事が急ピッチで進められている。


完成間近の「展望灯台」
最後のライトアップ



工事用防護ネットの取外し



■ 2002/12/04


 本格建設開始から約6ヶ月、外観の骨格がほぼ完成か? 今月12月22日~24日・25日の四日間、年末恒例の「江ノ島展望塔のライトアップ」が予定されている。「江ノ島展望塔」は、展望台としての機能の他に、灯台としての重要な機能をも持っていて、長年湘南のシンボルとして親しまれてきた。
 その「旧・江ノ島展望塔」のライトアップを見られるのも今年で最期、来年からは「新・江ノ島展望塔」が、新しい湘南のシンボルとして江ノ島の風景の一つとなっていくことだろう。
 12月31日の大晦日には、新旧の展望塔の灯台としてのカウントダウン引継ぎ点灯式がおこなわれる予定となっている。

最上部の工事中
最上部の工事風景


■ 2002/11/04


 展望室部分の窓も取り付けられ、いよいよ最上階の灯台部を建設中。








■ 2002/10/10


 ようやく展望室とその上の灯台部の組み立てが始まったようです。

工事中の展望室
展望室の工事風景



■ 2002/10/02


 昨日(10月1日)の夜、台風21号(中心気圧は935HP、最大風速は45m)が三浦半島を通過し、川崎市付近に上陸後、東北から北海道へと北上して行った。関東を直撃したものとしては戦後最大級とも言われ、江ノ島岩屋も開設(平成5年4月)以来の大被害を受けたが、鉄塔には大した被害も無く、工事は着々と進んでいる。

台風通過の朝

台風通過の朝



■ 2002/09/11


 なんだか和蝋燭(ろうそく)か松明(たいまつ)をイメージしたような形の塔であろうか。

半分以上完成か

和蝋燭の形が見えてきた




■ 2002/09/03


 建設現場である旧江ノ島植物園周辺は、以前から縄文時代の住居跡や、石器などが発掘されている場所であり、今回の事前調査でも住居跡が発見されたために、工事が一時中断され、発掘調査のために建設開始が少し遅れたようだが、ようやく骨格が見えてきた。


下部支柱工事
ようやく下部の支柱が見えてきた



■ 2001/10/24


 長年、江ノ島のシンボルとして親しまれてきた「江ノ島灯台」も、老朽化による建て替えが決まり、長年親しまれてきた「江ノ島植物園」も 2002年の3月で終園となる。
 2003年6月ごろには、藤沢市の四つの姉妹都市を紹介する施設を併せ持つ公園として整備され、再オープンする予定。


旧・「江の島展望灯台」

旧・「江の島植物園」









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